『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』ジュディ・バドニッツ、岸本佐知子訳
- 作者: ジュディバドニッツ,Judy Budnitz,岸本佐知子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/02/07
- メディア: 単行本
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教科書的に言えば「元気で大きいアメリカの赤ちゃん」=「無知で傲慢な先進国の赤ちゃんみたいな大人」を風刺した短編小説集、ってことなんだけれど、それは、まあ、いい。小説は、ルポルタージュや評論ではない。表現と物語のすごさを味わうべし。
シュールなブラックユーモアの背後にある、リアリティ。
一作読むたびに、「うわー、どっきどきー。まじで、これが一番怖かった−」と思い、次の一作を読むと「わー、やべー、これが一番怖い−」と思う、の繰り返し。
風刺されているのが、自分自身だってのは分かっているけれど、でも、反省する前に、飲み込まれるって感じ。不幸とか恐怖ではなく、「不吉」な感じがする物語ばかりでした。