『鷗外の子供たち』森類
- 作者: 森類
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1995/06
- メディア: 文庫
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『秋葉原事件』(中島岳志)を読んだら、あまりに加藤智大君とお母さんとの関係がかわいそうで、切なくて、毒消しに『鷗外の子供たち』(森類)を読む。
「僕は細い足で高く積んだ書物のあいだを縫って、すばやく(父・鷗外の)膝元へ駆けより、横ずわりに抱かれて広い胸に顔を押しつけた。葉巻の匂い、丸善のアテナインキにペンを入れる音、西洋紙をくる音、僕は安心で身も心も溶けるようであった。」
いいねえ、親たるもの、かくありたいねえ。
森家の子供たちは、茉莉も杏奴も「自分が一番、パッパに愛されていた」と断言する(於兎だけちょっと違うようだけれど)。スゴい。
子供とは、すべからく、親に溺愛されるべきもの、と思う。