『邪道モテ!』犬山紙子 峰なゆか

邪道モテ! オンナの王道をゆけない女子のための新・モテ論

邪道モテ! オンナの王道をゆけない女子のための新・モテ論

一日でさっと眼を通せる息抜き本、程度の気持ちで手にした。
20代半ばから30代前半の女性を「王道モテ・邪道モテ・非モテ」に大別し、さらにそれぞれ4〜6パターンに分けて評するという本。個々人の持ち物とかファッションを記号化して、類型化する、という趣向の本は、直接は知らないのだけれど、『金魂巻』という本がハシリだと、さまざまな社会学系の本で目にした。この本も、そんなポスト・モダンの末裔なんでしょうねえ。……ってなことを書きながら、この本の「邪道モテ」がめざす「ひねくれ男子」は、本や映画の評論っぽい感想をツイッターでつぶやく、なんてことが書かれていたことを思い出し、ああ、こういう感想も記号化されちゃうんだなあ、と、思わず、ポストモダンニヒリズムに引きずり込まれそうになるのでした。
ちなみに、この本の類型化でいうと、私の20代半ば〜30才は、思いっきり「非モテ」パターンでした。とくに「モテ否定」タイプ&「本気非モテ」タイプ混合型。いやあ、なつかしい。ほんとうに、こんな女の子でした。ちょっと「邪道モテ」の一類型である「自虐モテ」にさしかかったところで、結婚。あまりがっつり「モテ」問題にとりくまずにこの時期をのりこえ、今まさにアラフォーにさしかかるところ。おふたりにはやがて、アラフォーも記号化してもらいたいと思う(でも、読まないだろうな)。