『はじめての後輩指導 知っておきたい育て方30のルール』田中淳子

はじめての後輩指導

はじめての後輩指導

今月、後輩ができることになった。数年前まで同じ部署に1つ年下の同僚がいたが、年齢や経験年数が近いこともあって、指導すべき「後輩」という立場では全然なかった。ところが今度の「後輩」は10歳年下!なんと社会人1年生である。当然経験年数も10年違う。というわけで、わたしにとって正真正銘「はじめての後輩」である。
参考になることがあれば、という程度の気持ちでひらいた本書だが、しみじみ、しみじみ、思ったよ。あたしゃー、たくさんの先輩、上司に大事に大事に「育てられて」きたんだなあ、と。
先輩、上司は「約束を守る」「話しやすい関係を作る」「『そんなの常識でしょう!?』は禁句」「大人扱いする」「よいうわさだけをする」「報告か愚痴かわからないような話も最後まで話の腰を折らずに聴く」「その場で注意する」「期待をかける」などなど。みーんな、私が先輩や上司から受取ってきたことばかりだ。
私は一度も先輩たちから「そんなの常識でしょう」と言われたことはない。「かけられた期待が大きすぎて足が震える」と泣けば「おー、そうかそうか、じゃあ、もっと期待しようっと。一生、だれにも期待をかけられないで生きていくなんて、そんなのなんの意味もないよ」と笑いとばされ(スパルタ?)、粗忽な編集手順を踏めば、その場で呼びつけられてメモをとらされ、時折誘われてだらだらと飲みながら愚痴とも報告ともつかない話を聞いてもらい…。おかげでのびのびと仕事をしている。先輩方、編集長様、局長様、あらためて感謝です。
ああ、こんどは私が後輩に、そうしなければならないんだなあ、と思う。できるかな。いや、やらなきゃだよな。