『尾崎翠』ちくま日本文学

尾崎翠 (ちくま日本文学 4)

尾崎翠 (ちくま日本文学 4)

初めて読んだ。最初は慣れない文体が読みづらく感じたが、「こおろぎ嬢」「地下室アントンの一夜」「歩行」の3連作を読み終えたところで、ぐーっとひきつけられた。こんな作家がいたんだねえ。寡作なうえに、あるときふっつり消息を絶ったこともあって、謎めいたところのある人だけど、埋もれずに読み継がれていることに文学の不思議を思う。