「明暗」夏目漱石

明暗 (新潮文庫)

明暗 (新潮文庫)

ひさびさに読み返してみたのだけれど、なんだか、えっらい複雑である。キーパーソンの「清子」がなかなか出てこず、続々と係累が現れる。そのうえ謎だらけである。
なんで、津田は小林とつきあっているんだろう。
吉川夫人と津田は、どういう関係なのか。
お延も津田も、実家と疎遠なのはなぜか。
だいたい、お延と津田が結婚したいきさつも、わかるようでわからない。
そして、「未完」。
ふーむ。

実は、水村美苗の『続明暗』と、熊倉千之の『漱石のたくらみ』が読みたくて、本書をひさびさに手に取った。どちらも、「未完」の続きを書いた本で、しかも、ま逆の結末なんだって。