「ハイヒール・マジック」マダム由美子

じつは、ハイヒール、好きです。でも、どういうわけか、すっぽ抜けてしまう。なのでストラップのあるものしか履けない。しかも、かかとの減りが早い。だから上等なものは履けない。安物をがこがこはきつぶしている。

本書を読んで、おどろく。ハイヒールにはハイヒールの歩き方っていうものがあるらしい。靴がすっぽ抜けてしまうのも、かかとの減りが早いのも、歩き方がハイヒールに適していなかったかららしい。

ハイヒールってのは、そもそも、西洋人の身体文化から生まれたものだったんだなあ、とあらためて気づく。それじゃあ日本人は草履や下駄の歩き方なのかというと、そんなことはなく、むしろ、草履や下駄なんて靴ずれ以上の痛みを感じるようになってしまっている。『世界一の美女の創りかた』のイネス・リグロンが、日本人の歩き方は不格好だと書いていたのを思い出す。なんだか中途半端な歩き方をしているんじゃなかろうか、現代日本人ってのは。