『日々、きものに割烹着』(猪谷千香)

日々、きものに割烹着

日々、きものに割烹着

きものにハマって10カ月。もう、クリアーラック3個分のきものと帯がたまって、とうとう入りきらなくなりました。
去年の秋に、会社で「きもの部」を設立してみた。部長はnikkou。結構入部希望者が多くてうれしかった。早目に仕事をあがって、3人くらいで連れだって「たんす屋」や「古着市」にきものを買いに行ったり、昼休みやアフターファイブに会社の会議室を借りて着つけの練習をしたり、親戚にもらったり古着やで買ったりしたきものを披露しあったりしている。春になったら、きものでお花見をする予定。今年の会社創立パーティにはみんなできものを着て出席したいとも思う。
そんなきものハマりまくりのnikkouにぴったりの一冊が出ました。驚いたのが、おばあちゃんたち、きものの着方がかなりルーズ。というかぐちゃぐちゃ。こんなんでいいんだなあ。あんまり神経質になったら窮屈なだけだしねえ。お相撲さんとおそろいの浴衣を作って手をつないでいるおじいちゃんの写真には受けました。そしてなにより、猪谷さんの「会社員生活のかたわら、週末はきものに袖を通す。特別なお出かけをするわけでもない。せいぜい、近所まで買い物に行くぐらいで、木綿やウールといった普段着のきものを着て、のんべんだらりと過ごすだけ。当然のことながら、きもののまま掃除、洗濯、料理もする。」というあり方が参考になりました。nikkouも、ここんところ毎日、室内着はきもの。それでスーパーにも行くし、おふろ掃除も、おふろばで手洗いの洗濯ものもしました。けっこうだいじょうぶ。
なんだか、この本に出てくる銘仙藍染、博多帯もほしくなってきちゃうんだよね。こまったなあ、もう入りきらないってのに。

『ツレと私の「たいへんだ」育児2』細川貂々

ツレと私の「たいへんだ!」 育児2

ツレと私の「たいへんだ!」 育児2

第1巻ではまったくの赤ちゃんで意思疎通も難しい感じだったのが、急にちゃんと「人間」になっているのが可笑しいというか、かわいいというか。「1歳6カ月、ひさしぶりの夜泣き。以前と違うのは赤ちゃん語でどんな夢を見たか、教えてくれるところだ。」で、涙を流しながら「ぷにゅるぷ ぷるぷんよ」と言っているコマに大笑い。かわいいなあ。
でも、本書で一番すばらしいのは、パパの子育ての体験談になっているところだ。パパが子育てに協力的、なのではなく、ママが働いて、パパが主夫で子育てをしている。
「『男の人に育児まかせて大丈夫なんですか』って言われたことがある。」「世の中の女の人って、育児に関して男の人を信用しなさすぎ 頼らなさすぎなところがあると思う。男の人だって自分なりのやり方でちゃんとできるよ」という貂々さんのコマは含蓄深い。どんな家族にも、「こうでなくっちゃ間違い!」じゃなくって、いろいろと居心地のいいあり方があって、社会も自然に受け入れられるようになると、みんなもっと楽に生きられるのにね。

『「世界征服」は可能か?』岡田斗司夫

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)

編集の勉強のために読む。(図版の指定の仕方とか、虚実入り混じった原稿をどのように整理するかとか)。案外真面目な本で楽しく読んだ。「世界征服」が目的になる時点で、なんだかジェンダーを感じちゃうけどね。「世界征服」をもくろむ悪のリーダーに女の人っていないんだろうかねえ。ちなみに、nikkouは「責任感の強い独裁者タイプ」みたい。

『男読み源氏物語』高木和子

男読み源氏物語 (朝日新書)

男読み源氏物語 (朝日新書)

じつは、nikkouの高校の先輩。あとがきを読むと、編集したのは高校の同級生とあるので、わが母校の先輩たちは本当にステキだと愛校心がくすぐられる。
とまあ、そんな内輪話はともかく。「源氏物語」というのは、懐の深い作品だなあとつくづく思う。通読したのは一回、現代語訳は橋本訳と田辺訳で一回ずつ、あとは部分的に読み返したりしているのだけれど、高木先生の手引きで、また違った「源氏物語」の姿が見えてくる。
光源氏の父親「桐壺帝」が実は深慮遠謀を張りめぐらしていたのではないか、源氏と葵上(の実家)との関係に秘められた政治性、紫の上は正妻か否か、源氏のアンチ継母継子物語の構造……などなど、相当の説得力があって面白い。
また読みたくなっちゃうな。今度は与謝野訳か谷崎訳で読もうか。一生のうちにもう一度だけでも、原文で通読したいと思う。