『経済のことよくわからないまま社会人になった人へ 第三版』池上彰

買い物は投票である、という池上さんの考え方に賛成である。我が家では、某社のものは買わない、というルールがある。ルールというよりは、精神科医をしている夫が、「患者さんに某社の社員さんがいて、その働き方に仰天し、彼の前で某社の商品を身につけるのが気まずい」と言い出したことがきっかけで、買わなくなった、というのが真相だ。そこからだんだん敷衍していって、安すぎる商品は、どこかで歪みがあるはず、と考えるようになり、なるべく適正価格と思われるものを大切に使う、ということを意識するようになった。
投資も投票である、と言う。それで一儲けしようと考えてはいけないのだそうだ。株についてはもう、まったく興味も関心もなかったので、勉強になりました。特によく耳にする「FX」について「投資の初心者である”素人さん”に『FX』はおすすめできません。というよりアンタッチャブル、手を出してはダメです。」とはっきり書いている。
カードについては、これまた折々耳にする「リボ払い」について「トータルで考えれば、リボ払いを重ねると、とてつもない無駄遣いをしていることになるのです。その点は大いに気をつけたほうがいいでしょう。」とのこと。
消費者金融など、手を出す機会などないだろうと思っているけれど、それでも池上さんに「消費者金融からの借金は、あなたの信用を落とす可能性がありますが、銀行からの借金は、むしろあなたの信用を高めます。」と言われると、「信用を落とすのか」とぞっとする。
サブプライムローン」や「リーマン・ショック」については、分かったような分からないような。ただ「オバマ政権が必死にやってきた結果、三年ほどで経済状態は大幅に改善、二〇一四年現在、失業率が下がってきていることなどから見ても、『アメリカはリーマン・ショックによる危機からほぼ脱出した』と言えそうです。」とのこと、へーそうだったのか。