『アルゴ』アントニオ・メンデス (著), マット・バグリオ (著), 真崎 義博 (翻訳)

アルゴ (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) (ハヤカワノンフィクション文庫)

アルゴ (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) (ハヤカワノンフィクション文庫)

映画を観て、実際のところどうだったのだろう、と本書をひもとく。
映画では見せ場となるバザールでのロケハンや、急な作戦中止命令、空港でのひやひや、そして最後の飛行機を追いかけてくるイランの車など、すべて、本にはない。つまり、あれはみんなハリウッド的フィクションだったということなのかしら。
本書では3分の2が、どのように準備をしたか、という内容。パスポートを2種類偽造し、ビザの印の押し方を研究し、ポケットや財布の中身まで作り込み、そこまでやるか!? という、それこそフィクションみたいなことをやっている。カナダがよく協力したと思うよ。
映画の本編となる脱出については、最後の2〜3章でさくっと終わってしまう。特にトラブルもなく、すっと脱出できた様子。まあ、そうでなければスパイ活動じゃないよね。
冷戦下でのイランとアメリカ、そしてソ連との関係は、本書ではいまいち把握しきれなかったので、もう一冊「イランとアメリカ」(高橋和夫)を買った。
子どもが寝ている時間にちょこちょこ読めば、本もだいぶ読めることがわかった。ただ、産後の眼の回復がまだ進んでいないようで、ときどき眼の筋肉がずきずき痛む。あまり無理をしないほうがいいかな。