『崖っぷちの鞠子』(坂井希久子)

崖っぷちの鞠子 (光文社文庫)

崖っぷちの鞠子 (光文社文庫)

知らない作家さんだったが、違和感なく、とても面白く読んだ。働く女をめぐるあれこれ。遠い昔に読んだ『女たちのジハード』(篠田節子)を思い出す。一方で、『ガール』(奥田英朗)ともよい対照だと思った。『女たちのジハード』にせよ、本作にせよ、働く女を、女性作家が書くと、どうしても男がらみになっちゃうんだろうかねえ。上司や同僚、後輩とのラブロマンスだったり、不倫だったり。『ガール』はその点、純粋に「働く女」の「働く」の部分に焦点があたっていて、とても気持ちよかった。