『マタニティ・グレイ』(石田衣良)

それなりに楽しく読みました。ドラマチックで、まあ若干ご都合主義で、人物造形は類型的で。だからかえって安心して読める。人は、パターナリズムに安心するものであります。主人公と自分が同世代・同業、主人公の親も自分の同世代で、妊娠、と共通点の多い小説ながら、共感やら身につまされる、という感覚とはほど遠く、テレビ画面でも見るようにおもしろがって読み、読み終わったとたん、詳細は忘れた。ドラマ化されるかもね。