『望遠ニッポン見聞録』ヤマザキマリ
- 作者: ヤマザキマリ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: ハードカバー
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『テルマエ・ロマエ』大好きです。その著者ヤマザキマリさんのエッセイ。海外在住の日本人にありがちな、過剰な日本ラブな話や、逆にここが変だよニッポン人的な話は、じつはあまり好きではない。いくらマスコミの発達で画一化されたからといって、日本は広い。そう簡単に「日本人とは」でくくってほしくない。
で、このエッセイは、若干、そういう雑なことをしているところもないではなかったけれど、もうちょっと距離感をもって、日本人がというより日本のこういうCMがイタリア人に受けたとか、イタリア人がというよりイタリア人の姑はこうである、とか、エピソード的なところが面白かった。
そのひとつで、イタリアのGEOXという靴メーカーのCM。日本的なものがちょこっと出てくる。
あと、どうでもいいけど、先日、ある助産婦さんの妊活の本で、「今の人は、和式便所にしゃがまないので、足腰が弱くなって、胎児の体に障害が出る」てなことが書いてあったのだけれど、ヤマザキマリさんによると、西洋人はローマ時代から腰掛け型トイレである。のみならず、しゃがむ、という行為をすると「何やら恥ずかしそうに顔を赤らめ、『早く立ち上がりなさいよ』と促してくる」くらい、しゃがむ行為をいやがるのだそうだ。川田順造先生も、西洋人は掃除洗濯の際、しゃがまずに跪く、アフリカ人は腰からぱたっと体を折る、と書いていた。もしあの助産婦さんの言うことが本当だったら、西洋人は障害者だらけだよな。