『死とどう向き合うか』アルフォンス・デーケン

死とどう向き合うか (NHKライブラリー)

死とどう向き合うか (NHKライブラリー)

まずこの人の功績は、「死を語ろう」と呼びかけたことだろう。その後「死の研究」はさまざまに発展し、「ホスピス」の設立から「死の準備教育」、自殺予防活動など、多くの広がりをもった。
ホスピス医や自殺予防活動をしている人の書いたものを読んでからデーケン先生の本を読むと、なんとなく物足りないような気がしなくもないけれど、でも、元はと言えば、この人が働きかけて始まったことも少なくないのだ。
現在80歳、なお壮健。在日50年間、愚公山を移すが如く、この日本が少しでも隣人に優しい国であれかしと祈り続けたその結晶を思う。