「おまえが若者を語るな!」後藤和智
おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154)
- 作者: 後藤和智
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/09/10
- メディア: 新書
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80年代以降の「若者」を語る言説は、自分の周囲の事例を挙げただけでなんの根拠もない。のみならず、時の権力者とつるんで若者を攻撃することで、社会問題を覆い隠し、深刻化させた、という小論。
読みながら、な〜んとなく違和感。私がテレビを見ないので、世の中から遅れているのかな。香山リカや宮台真司や三浦展の本は、「ネタとしておもしろいけど、真実味はない」と思って読んでいた。こーんな印象論ばっかりのいい加減なことばっかり書いてたら、だれかにつっこまれるだろうなあと思っていたので、後藤氏の突っ込みは、きたるべくしてきた感じ。でも、そんなに社会に影響力があったんだろうか。やはりテレビの力なのかね。
北田暁大や東浩紀は、作品論や文化論として読んでいたので、「なるほど、世代論として読めるのか!」とちょっとびっくりした。
それ以外の論者(鈴木謙介、寺脇研など)はあまり読んでいなくて、ぴんとこず。寺脇研は、この本で取り上げられているようなことを本当に言っているのなら、少し読んでおかねばなるまい、と思う。
個人的にぞっとしたのは、藤原和博の「日本では、もし『教会』の替わりが務まる組織があるとすれば、それは、『学校』しかないからだ」という言葉だけれど、nikkouの「ぞっとする」気持ちは、たぶん後藤和智のそれとは同じじゃないなあ、とも思った。