「テス(下)」トーマス・ハーディ

テス 下 (ちくま文庫)

テス 下 (ちくま文庫)

下巻、読了。
いやはや、19世紀末のイギリスってのは、息詰まる感じです。「登場人物紹介」にはテスについて「残酷な運命に弄ばれる」とあるが、彼女を「弄んで」いるのは、「運命」なんかじゃなく、「習慣と因襲」(87ページ)のなんじゃないかと思う。
そのせいか、テスが自らナイフで軛(くびき)を断ち切る結末は、哀れであるよりも、むしろ爽快。