『それから』夏目漱石

それから (新潮文庫)

それから (新潮文庫)

先月、あるパーティで、先生たちが、春樹の『風の歌を聞け』〜三部作の鼠と僕は、漱石の『それから』の平岡と大助だ、という話で大いに盛り上がっていたので、はて、なんのことやら、と、『風の歌を聴け』『1978年のピンボール』『羊をめぐる冒険』と、『それから』を順繰りに読んだ。鼠と僕が、どう平岡と大助なのか、よく分からなかったけれど、とても面白かった。
いずれも学生時代に読んだんだけれど、あの頃に感じたのと全然違う感覚だった。福田恒存を読みかえした時にも思ったけれど、あの頃は、たぶん、1文字も理解していなかったと思う。
じゃあ、今は理解したのかというと、やっぱりよく分からないんだけれど、でも、あの頃よりもずっと「面白いなあ!」と感じた。
なんでだろうねえ。
これから20年くらい経ってもう一度読み返したら、また違う感じを抱くんだろうか。