『在日の耐えられない軽さ」鄭大均

在日の耐えられない軽さ (中公新書)

在日の耐えられない軽さ (中公新書)

在日コリアンについて調べてみたくなって、何冊かまとめ読みした中の一冊。在日コリアンについては、本書のような一代記が主流で、そもそも彼らはナニモノ? ということを解説した本があまりない。nikkouの通った小学校では、一学年に1人、在日コリアンの子がおりました(1980年代世田谷)。小学校のお向いは朝鮮人学校。中学・高校は国立でしたが、やはり同じクラス、学年に1人ずつ在日コリアンがいました。本書の著者が生まれた1940年代から半世紀くらいは、やはり差別がひどかったのだろうと思うが、nikkouが子供時代は、だれも彼らを差別しなかった。普通にクラスメイトだった。ただ、なぜ彼らは、難しい名前をもっているんだろうなあ、とは思っていた。今になってみると、かつて彼らが、どうして差別されたのか知りたいと思う。差別していた日本人は、なぜ差別をしたのだろう。

著者の母親は日本人で、朝鮮人と結婚し、クリスチャンとなり、夫が韓国に帰国してしまったあと、ひとりで二人の子を育てたという。いわゆる「福音派」のクリスチャンであったようで、著者もずいぶん反発したようだ。その気持ち、クリスチャンであるnikkouにも分かる気がするけれど、なんか、著者のバイアスのかかっていない眼で、この女性を直接見たかった、というか、もしかなうならば、生前に会ってみたかったなあ、という気がする。