『ぼくらは農業でしあわせになる』(田中進)

ぼくらは農業で幸せに生きる

ぼくらは農業で幸せに生きる

農業法人「サラダボール」」の経営者による体験談。著者が「あたらしい農業のカタチ」というとおり、ああ、こういう方法があったんだなあ、と目を開かされる思い。

nikkouの祖父母は父方も母方も、農家である。祖父母の時代は日本の農業人口がまだ多かったからか、nikkouの小学校時代は、夏休みに田舎で農業を営むおじいちゃんおばあちゃんのうちに遊びに行く、というプランをもつ子がめずらしくなかった。
今の小学生で、祖父母が農家という子は少なくなっただろうな、と思う。

そんな現代の、すっかり農業から切り離されて生きてきた若者たち(30代から20代)が集い、「農業法人」を設立。「社員」という立場でそれぞれ「部署」ならぬ「畑」を担当、「企画会議」ではなく「勉強会」で作物の育て方を検討したり、優秀な農家に「研修」に行ったり、また、なれない肉体労働を楽にするトレーニングや、ベンチャー企業ばりのメンタルサポートを取り入れつつ、「サラダボール」ブランドの野菜を作り出していく。
目標は「おいしい野菜を作る」とシンプルで、逆に、農業をやるのに「立派」な志望動機がある人のほうが続かない、というからおもしろい。

もともと銀行や保険会社に勤めていたとあるとおり、文章はいかにもビジネス書か、営業マンのレポートっぽくて、それがまた新鮮でした。