「噂の女」(神林広恵)

噂の女 (幻冬舎アウトロー文庫)

噂の女 (幻冬舎アウトロー文庫)

すごく元気をもらった1冊。一生懸命仕事しよう、という気になる。本書を読みつつなんとなく思い出していたのが、佐藤優国家の罠」。佐藤優は、自身の逮捕を、公共事業型から地方分権型に国の方針が変換したことを示すための国策捜査だった、と分析していたけど、「噂の真相」が休刊の数年前に刑事事件として起訴されたのも、そうなんじゃないか、と思った。個人情報保護法の準備と周知のための、ウワシン家宅捜査、有罪判決。今までずっと、国貞元検事のスキャンダルを挙げられた復讐で、ウワシンは検察に取調べられたんだと思っていたんだけど、そうじゃなかった。ウワシンの取調べが先。そしてまさにその「復讐」のために、国貞元検事のスキャンダルのスクープとなったらしい。そもそも、ウワシン自体、この事件がおきる前から、休刊を決めていて、起訴されたせいでかえって休刊時期を延ばすことにしたという。そうすると、あえて起訴する必要もないわけで、ますます国策捜査っぽい気がする。